シーゲルの独り言☆パート2

こちらはパート2です~

初恋1.5 第14話 挫折(後編)

初恋1.5 第14話 挫折(後編)
 【シーゲルの青春小説】 中学生時代編(前編)



※この物語はフィクションです。
 (80年代前半を時代背景にした物語です)
 

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【このシリーズのイメージ曲♪(その1)】
岩崎宏美 銀河伝説
http://www.youtube.com/watch?v=0gMRMb7X9MM

【このシリーズのイメージ曲♪(その2)】
[ 蘇る金狼_2011 ] 松田優作 × 前野曜子
 
 

【この回のイメージ曲♪(その1)】
寺尾聰 出航Sasurai
 

【この回のイメージ曲♪(その2)】
CAPTAIN キャプテン ED full ありがとう
 

 
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僕は…三浦信之…中学2年生…


(前編からのつづき)
 
 
 
「バカやろう~!ヘタクソ~!

 自分でボール取ってこい~!」(新キャプテン)


ポジション争いの…
最後のフライは…
僕の頭上を大きく超えていった…。

僕のいるライトのポジションの後ろには…
サッカー部のゴールポストがあり…
そのゴールポストの後ろには…
テニス部のコートがある…。

サッカー部とテニス部に邪魔にならないように…
僕の後ろにも…
1年生が「玉拾い」で立っていたのだが…

新キャプテンにそう言われて…
ボールがスルーされて…

サッカーゴールを超えて…
テニス部のコートの方に…転がっていった…。

僕は…
「玉拾い」の1年たちの…横を通り過ぎた時も…
「サッカー部」の生徒たちがいる…横を通り過ぎた時も…
僕のことを…失笑しているのを感じた…。
今まで…味わったことがないような…
屈辱の体験だった…。
この時の僕の気持ちは…
その場から…今すぐ、走って逃げ出したいような…
なんとも言い表せないような…
最悪の気分だった…。

僕は…ボールを追って…
テニス部のトコろまで行くと…

テニス部の1年の女子が…
軽く…失笑しながら…ボールを取ってくれた…。

部活内の礼儀で…
帽子を取って…キチンと頭を下げて…
テニス部の女の子に…
「アザ~ス~!」と言って挨拶をした。

そして…振り返って…戻ろうとした時…

僕の横目に…パッと…一瞬…
「寛子」の姿が写った…。

ドキっとした…僕は…
再び振り返って…「寛子」の方を観てしまった…。

今まで…
他校とのケンカでのウワサ話や、
先輩に公平に評価され…
ピッチャーで優遇されていた…
野球部などでの…
「カッコイイ僕」しか知らなかった「寛子」は…

唖然とした表情で…僕を見つめていた…
それは…どことなく…僕を…軽蔑した顔にも見えた…。

どーみても…その「寛子」の顔は…

「僕への恋が…一瞬で冷めた…」という顔だった…。

僕は、その「寛子」の軽蔑した表情を見て…


「何かが崩れ落ちてしまったような…」

そんな人生で最低最悪の状況になった…。

僕は…
その場から…逃げて…
どこかで…泣き崩れたい…気持ちだった…。


その後、僕への恋が冷めてしまった…
「寛子」の…視線を感じることは…もう二度と無かったし…

「寛子」から…「会いたい…」という誘いも…まったく無くなってしまった…。

「寛子」との…
ほのぼのとした「中学生らしい?僕の恋愛」は…
この時、全てが終わった。

レギュラー・ポジションも獲得出来ず…
野球部の同僚からも…
バカにされるよーな雰囲気を感じ…

「寛子」の愛情を失った自分は…
2度と…野球部の練習に参加することは無かった…。

僕は…
野球部を辞める…とは…一言も言わなかったけど…。

野球部としても…僕への配慮だったり…
「去るものは追わず」って感じになった…。

「いてもいなくてもイイ」って思ったのかも知れない…。
暗黙の了解のよーな形で…
僕は…野球部を「退部」したことになった…。

僕自身…
レギュラーを獲れなくて…
補欠の補欠の4番手ピッチャーであったとしても…
同級生相手に…「バッティング・ピッチャー」をしたりとか、
試合で…「代打」でたりすれば…
野球部に貢献し、続けていくことは出来ただろうし…
 
メガネを買って…
フライの練習をして…近眼を克服すれば…
まだまだ…レギュラー争いには…加われたのかも知れないけれど…

たかが…公立の「中学生レベル」の野球チームで…
補欠で…残ったところで…
なんともつまらない野球部生活だろうし…

そこまで…「野球」は好きじゃない…
僕にとって「野球」は…単なるお楽しみ…
単なる健全な遊びやスポーツの一つに過ぎなかった…。
 
それに…
野球を辞めたくなった一番の理由は…
「寛子」の愛情を失ったからでは無く…
やはり…同僚たちから…
ヘタクソと…軽蔑され…バカにされた目で見られるのが…
一番辛かった…。
 
今、思えば…
「そんなこと…どーってことないよ…(笑)」って感じのことだけど…
なんて言ったって…初めての挫折の経験だからね…。
それだけ…青く…傷つきやすい年頃だったのだろうね…。

「野球」が楽しめないのなら…
試合に出れず…
単なる「玉拾い」と「バッテイング・ピッチャー」と「代打」だけの…
いても…いなくても…の存在の僕なら…

「上手い1年生がいれば十分だろ??」って思うし…

僕の傷ついたプライドも…許さないから…
きっぱりと…
「野球部」に「見切り」を付けた…。


僕が…野球部を辞めたことで…。
1年の「玉拾い」や「パシリ」、「シゴキ」から耐えきた者で…
「レギュラーになれなかった者」は…

その野球部への自分の存在意義を感じられず…。
僕と同じように…たいした理由も…やりたいことも無いのに…
1年からの苦労が…バカバカしくなって…

「ケンケン」が辞め…「トシ坊」が辞め…
あの「ゴトー君」までもが…
野球部の練習に来なくなった…

(余談だが…
 野球部を辞めた後…
 「ゴトー君」は、僕と同じ塾に行って…
 塾をサボったり、ワルさをしたりをしていたが…
 やはり、野球が捨てきれず、
 3年の大会前に野球部に復活して…
 みごとレギュラーを勝ち取った…
 数少ない野球部を辞めて復活して更生した成功例の人☆になる)


それ以前に練習に現れなくなった…
番格の不良グループに入った「松田」も正式に辞め、

他にも…
受験勉強に専念した者や…
不良生徒になった者…
一般生になった者もいるし…
野球部からサッカー部などの…
他のクラブへ移った者もいる…。


野球というスポーツは…
当時は、最も底辺の広いスポーツだったけど…
こーいう形で…野球を断念する者が多く出た…。

せめて…公式な中学の野球部、草野球部や同好会チームなど…
同じ中学で…もう1チーム出来たりしたら…

もっと野球を楽しめると思うが…
学生野球って…エリートのみしか残れない…
みんなに愛される…狭き門の「スポーツ」だった…☆

もう…子供頃…道端や公園で…
みんなで遊んだような…
楽しい「子供の野球」は…ここで終わった…。


「レギュラー(上手い選手)」だけを…
優遇し優先して…試合に出し、練習予定を組む…
中学野球部の指導方針に…
疑問を持ちながら…僕は野球部を辞めた…。

そして僕は…
野球部を辞めて…
どーしようもない…中途半端な…ボンクラになっていく…。

そして…
野球部の…健全な肉体と精神の…
健全な生活習慣から離れると…
 
成長過程の若い肉体は…
ヒマと力をもてあまし…
 
過去のトラウマも蘇り…
精神状態も不安定になって…
不健全になっていく…

そして心も病んで…
僕の「狂犬病」も…復活することなる…。

ここから…
落ちこぼれ…腐りゆく…
僕の「本当の中学時代」の物語が…
始まっていくのであった…。
 
中学2年…春から夏にかけての…出来事だった…。
 
 
 
(つづく)
 
 
 
※この物語は…80年代前半を時代背景にしたフィクションです。