シーゲルの独り言☆パート2

こちらはパート2です~

相模の小太郎 第16話 加賀屋の主 【シーゲルの歴史小説】

相模の小太郎 -蒼き疾風外伝- 第16話 加賀屋の主 【シーゲルの歴史小説
 
 
 
※この物語はフィクションです。
 
 
 
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【この回のイメージ曲♪(その1)】
黄金の日日
http://www.youtube.com/watch?v=GN-ttLjTf9Y

 
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「ここが…山中ですか…??
 何にも…無いじゃないですか…??(驚)」(小太郎ら)
 
 
「 加賀屋静江」の商団と…
 「相模の小太郎」こと「浜中(はまなか)の小太郎」らの一行は…
 
小田原から東海道を…
箱根湯本、芦ノ湖と進み、箱根峠を越えると…
最初の目的地である…山中(伊豆)へと到着した…
 
山中は…
後に北条氏康がこの地に「山中城」を築くが…
この時の山中は…
箱根山西麓にある…街道沿いの小さな山里に過ぎなかった…
 
山里と言っても…
山のふもとに数件の小屋があるだけで…
まともな屋敷や、旅籠、店舗などは一つも無い…
その名の通り…「山中」の土地だった…
 
商団を率いる「加賀屋静江」は…
この場所に野宿の準備をさせると…
 
小太郎ら数人だけを連れて…
この場所の周辺を…くまなく歩き回って周辺調査を始めた…
 
 
「(小声で)小太郎…
 お嬢様は…このような場所で…何をお探しなんだ??(謎)」(はまや才助)
 
「(小声で)こんな何も無い…山の中を…
 登ったり…下りたり…行ったり来たりばかりで…(愚痴る)
 見晴らしの良い場所を探して…旅籠でも建てつもりなのか…??(愚痴る)」(安本源三郎)
 
「さぁ??(笑)」(浜中の小太郎)
 
「(小声で)お嬢様もそうだが…
 もう一人…変わり者が…あそこにいるぜ…??(不思議)」(鈴木甚兵衛)
 
 
「鈴木甚兵衛」が指差した方向を見ると…
「静江」と一緒になってあちこち見渡す…
山本勘助」の姿があった…
 
勘助は…周辺の状況を…
絵地図にして細かく説明まで書き入れている…
 
 
それを見た「安本源三郎」と「はまや才助」が…
興味津々で…「山本勘助」の側に走り寄り…
 
「勘助様…いったい何をお探しで…??
 出湯(温泉)の宿地でも…探しているのですか??(謎)」(安本源三郎)
 
「いやいや~金脈でも探しているのでしょう??(冗談と願望で)」(はまや才助)
 
 
「出湯(温泉)…??金脈…???(驚)
 
 あっははははは~(爆笑)」(山本勘助
 
「ふふふ…(笑)」(加賀屋静江)
 
 
「お嬢様…勘助様…いったい何をお探しなので…??」(小太郎)
 
「うん…ワシの場合はの…
 まぁ~「軍師」を志している者としての興味から…
 この場所を…眺めているのじゃが…(笑)
 どうやら…お嬢様も…同じお考えのようですな…(笑)」(山本勘助
 
 
「軍師としての興味…???」(小太郎たち)
 
 
「ふふふ…(笑)
 では、勘助様…
 今度は…あの山の頂上までご一緒しませんか…??(笑)」(静江)
 
「ええ~もちろん~(喜)
 あの山の頂上まで登れば…
 三嶋方面はもちろん…駿河の海まで見渡せるやも知れませぬな~(喜)」(勘助)
 
 
「(小声で)ええ~また登るのか~??(愚痴る)」(安本源三郎)
 
 
小太郎らには…静江と勘助の行動が…まったく理解出来ず…
単なる…良い風景を求めての「山歩きを楽しんでいる…」としか思えなかったのだが…
 
この「山中」の地で…一番高い山に登ると…
そこからは…山のふもとから広がる三嶋方面の平野に…
駿河湾まで見渡せる場所だった…
西北の方角には…富士の山も見えた…
 
「これは…良い眺めですね…(感動)
 この景色が見たくて…この場所に来たのですか??」(小太郎)
 
 
「小太郎…この山中はの…
 小田原へ向かう…箱根峠への入り口にあって…
 駿河へ向かう…三嶋から駿河湾まで見渡せる高みの場所にあるのじゃ…
 これが…何を意味するのか?わかるか??小太郎??」(勘助)
 
 
「小田原へ向かう…箱根峠への入り口にあって…
 駿河へ向かう…先を…見渡せる高みの場所…??(謎)」(小太郎)
 
「………???」(小太郎たち)
 
 
小太郎らには…何のことか…さっぱりわからなかったが…
鎌倉武士の家柄の子である…鈴木甚兵衛だけが…
 
「もしや…この地は…
 小田原(相模・北条家)と…駿河(今川家)との間の…
 戦略上の…重要な場所…ということになるのですか…??」(鈴木甚兵衛)
 
「そうじゃ…」(勘助)
 
「勘助様…それはオカシイ…??
 駿河・今川家と…相模・北条家の間には…長く同盟が結ばれていて…
 ご当代様(北条氏康)のご正室は…今川家の姫君なのですぞ…??」(甚兵衛)
 
「そのとおりじゃ…」(勘助)
 
 
「………??(謎)」(小太郎たち)
 
 
「………(黙)」(勘助)
 
 
「ま…まさか……??!!(驚き)
 
 ち…近い将来…
 今川と北条の同盟が…手切れとなって…
 合戦になるとでも言うのですか…??!!(驚)」(甚兵衛)
 
 
「えええ~!!??(驚)」(小太郎たち)
 
 
「それは…ワシにも…わからんが…
 もし…本当に北条と今川との間に…合戦が起こった時…
 この山中は…戦略上…大変重要な場所となるじゃろうて…(緊張)」(勘助)
 
「お嬢様…
 どうなのですか…??(緊張)」(小太郎)
 
「私にも…確かなことは…わかりませぬ…
 ですが…その兆候があるのは事実です…
 
 そうなる前に…
 私たちは…この何もない山里に…支店を置き…
 多くの人を雇って…多くの物資を運び…この地を開拓せねばなりませぬ…
 
 もちろん…私たちがこの地に…城や砦を築くわけではありませぬが…
 いざとなって…北条様がこの地に…急ぎ、城や砦を築くとなると…
 前もって、それなりの準備が必要になるのです…」(静江)
 
 
「さすが…お嬢様…
 商いをわかっていらしゃる…(笑)」(はまや才助)
 
 
「才助さん…(少し怒ったような真剣な表情になって)
 私は…合戦で…金儲けをするために…
 このようなことをしているのではありませぬ…(真剣)
 
 合戦の怖さを…知っているからこそ…
 合戦にならぬように…先手を打っているのです…(真剣&涙目)
 
 それを…私たちがやらねば…
 私たちの小田原が…
 合戦に巻き込まれるやも知れぬからなのですよ…(真剣&涙目)」(静江)
 
 
「は…はい…(困&汗)」(才助)
 
 
「お嬢様…さすがだ…(感心する)」(勘助)
 
「ええ…さすがです…お嬢様…(感心する)」(小太郎たち)
 
 
「でも…本当に…
 北条家と今川家の間に…合戦が起こるのでしょうか…??(心配)」(小太郎)
 
「起こらぬように…今から先手を打つのです…(真剣)」(静江)
 
「はい…(真剣)」(小太郎)
 
「はい…(うなずく)」(みんな)
 
 
静江は…小田原に来たばかりの時は…
加賀の国での合戦の「心の傷」で…
一人で海を眺めては…
悲しみ暮れてばかりいた…あの静江が…
 
その「心の傷」を乗り越えて…
立派な「加賀屋の主」へと変わりつつある…
 
小太郎は…そんな静江を…
助け、支えていきたいと思うと同時に…
たまらなく愛おしく思えて仕方がない…小太郎であった…
 
 
 天文13年(1544年)…
この夏で13歳になる…小太郎…12歳…
伊豆・山中での…夏の日のことであった…
 
 
(つづく)