相模の小太郎 第15話 良いもの… 【シーゲルの歴史小説】
相模の小太郎 -蒼き疾風外伝- 第15話 良いもの… 【シーゲルの歴史小説】
※この物語はフィクションです。
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「小太郎さん~入ってきてイイわよ~(笑顔)」(加賀屋静江)
「静江」と「おゆり」、「市」の三人の女性と…
一緒に出湯(温泉)に入ることになった…
「相模の小太郎」こと「浜中(はまなか)の小太郎」と…
「山本勘助」は…
沢の入口から出湯へと…向かった…
沢の入り口には…静江の護衛役につけられた…
武道の達人の「正五郎」が…静かに黙って立っている…
「ご苦労様です…」(浜中の小太郎)
と言って…小太郎が会釈をすると…
正五郎は…軽く会釈をしただけで…一言も話さない…
正五郎は…
北国人らしい色白で…
静か過ぎるくらい「静かな男」だった…
「あの「正五郎」という…護衛役…
若いのに…ずいぶんと大人びているのお~(関心)」(山本勘助)
「ええ…武術の達人というだけあって…
何か…悟りを開いた高僧のような雰囲気がありますよね…」(小太郎)
「ああ…でも…何か…静か過ぎる…
若者らしい…覇気が感じられぬ…
まるで…人生に失望してしまった年寄りのようじゃ…」(勘助)
「あの方も…
加賀屋のご隠居様やお嬢様(静江)と共に…
加賀の国から…地獄のような思いをして…生き延びて…
この小田原に逃げてきた数少ない生き残りの一人ですから…
お嬢様と同じように…家族や友人、同僚などの多くの方を亡くし…
心を病んでいるのやも…知れませぬな…(哀)」(小太郎)
「そうだな…(哀)
多くの者を亡くしただけでは無く…
生き残るために…矢も得ず…
多くの敵を斬ったのであろうよ…
そのことで…きっと心に傷を負っているのであろうよ…(哀)」(勘助)
「キャー(笑)」(おゆり)
おゆりや静江、市などの…
少女らしい笑い声を聞いて…
小太郎と勘助は…はっと我に返った…
日が暮れ始めて…薄暗くなった崖下の陰に…
湯煙が立っている…
その湯煙の中に…三人の裸の少女の姿が…薄っすらと見えた…
「………(緊張)」(小太郎と勘助)
小太郎らの姿に気付いた…
市が…おゆりと静江に知らせると…
「小太郎さん~勘助さん~
早く、こちらに来て~お入りなさい~
とっても~良い出湯ですよ~(笑顔)」(加賀屋静江)
と…声をかけられた…
「………(真っ赤になる)」(小太郎と勘助)
「こ…小太郎…
やっぱり…わしゃ…遠慮しとくわ…(恥)」(山本勘助)
そう言って…勘助は…風のように走り去ってしまった…
「か…勘助様…(困)」(小太郎)
「何やってんだよ…(笑顔)」(市)
市の声がして振り向くと…
一糸まとわぬ…裸の姿で…市が小太郎の前に立っていた…
「………(驚&恥)」(小太郎)
「ふふふふふ…(笑顔)」(市)
市は…小太郎が恥ずかしがっているのを見て…楽しんでいるようだった…
「さあ~小太郎~一緒に入ろう~(笑顔)」(市)
市は…目のやり場に困っている小太郎の手を引っ張って…
出湯(温泉)の前まで…連れて来た…
「………!!!(驚&恥)」(小太郎)
小太郎の前には…出湯につかる…
静江とおゆりの姿があった…
小太郎は…息が止まったかと思うほど…その場に固まってしまった…
すると…
市が…小太郎の背中を押して…湯船の中に押し入れてしまった…
「あああ~(驚)」(小太郎)
「ざぶーん~!」(小太郎が湯船に飛びこんだ音)
「ふふふふ~(笑)」(静江、市、おゆり)
小太郎は…湯船の中から顔を出すと…
すぐさま市に向かって…お湯をかけた…
「市~!(怒)」(小太郎)
「やったな小太郎~!(笑)」(市)
そう言って市が小太郎にお湯をかけてやりかえすと…
おゆりと静江も一緒になって…
みんなで楽しそうにお湯をかけた合った…
「はははは~(笑)」(小太郎、静江、市、おゆり)
「小太郎さん…どうですか?初めての出湯(温泉)は?(笑顔)」(静江)
「とっても気持ちが良いですね…
お湯の温かさで…体のシンまで届いて…
体がとけて…柔らかくなっていくような気がします…(感激)」(小太郎)
「ふふふ…小太郎さんは…鍋の中の魚になったみたいな言い方ね~(笑)」(おゆり)
「はははは~(笑)」(小太郎、静江、市、おゆり)
少し緊張がとけて…湯船につかっている…
静江とおゆり、市の三人の少女を見ていると…
普段の着物姿からは…解らない…
女性らしい「丸みある」体の線に気付いた…
(女の人の体って…どうして…丸くて…柔らかそうなんだろう…??)(小太郎の心の中の声)
(着物を着ていると…ほっそりとして見えるのに…
男と違って…どうして…丸くて…柔らかそうなんだろう…??)(小太郎の心の中の声)
(男よりも…ずっと強い…忍びの「市」の体も…
やっぱり…丸くて…柔らかそうだ…(不思議)
市も…やっぱり…女子なんだな…)(小太郎の心の中の声)
小太郎は…先ほど見てしまった…
「市」の裸が…頭にこびりついて離れない…
(もう一度…良く見てみたい…
そして…お嬢様(静江)やおゆりの裸も見てみたい…(恥))(小太郎の心の中の声)
そんなことを考えているうちに…
また恥ずかしくなって…目のやり場に困った…
そして…そんな小太郎を見て…
少女忍びの「市」がニヤリと笑った…。
「さあ~そろそろ上がりましょうか?(笑顔)」(静江)
「じゃ~小太郎さん~先に出て~」(おゆり)
「はい…(恥)」(小太郎)
湯船から上がる女性の姿を見ないようにと…
小太郎が先に湯船から出た…
背を向けて、先に湯船から上がる小太郎を見て…
静江とおゆりも…湯船から上がって…
脱いだ着物の場所に向かおうとした…その時…
「おい!小太郎!!(叫)」(市)
と…市が大声で小太郎を呼びとめた…
「!!!!!(驚)」(小太郎)
小太郎はビックリして…後ろを振り返ると…
そこには…
裸の…静江とおゆり、市の姿があった…
「!!!!!(驚)」(静江とおゆり)
静江とおゆり、市もまた…
小太郎の裸の姿が…目の前にあった…
「キャ~~!!!(驚&叫)」(静江とおゆり)
「お嬢様~!どーしたのですか~!?(驚)」(静江の侍女:お糸)
静江たちの悲鳴を聞いて…お糸が…びっくりして現れた…
護衛役の正五郎までも…駆けつけて来た…
「い…市!!オマエ~!!(恥&怒)
な…な…何てことを~!!(恥&怒)」(小太郎)
「はーはははは~はーはははは~(爆笑)
お互いに~
「良いもの」を~見れたでないか~(爆笑)」(市)
「………(真っ赤な顔)」(静江とおゆり)
そんな小太郎たちを見て…
「はぁ…また悪ふざけか…(イライラする)」(静江の侍女:お糸)
「…(一瞬だけ微笑む)」(静江の護衛役:正五郎)
天文13年(1544年)…
この夏で13歳になる…小太郎…12歳…
初めての…旅先での…忘れらない思い出の一つとなった…
「良いもの」を見た…夏の日のことであった…
(つづく)