シーゲルの独り言☆パート2

こちらはパート2です~

相模の小太郎 第5話 運命の出会い… 【シーゲルの歴史小説】

相模の小太郎 -蒼き疾風外伝- 第5話 運命の出会い… 【シーゲルの歴史小説
 
 
 
※この物語はフィクションです。
 
 
 
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【この回のイメージ曲♪(その1)】
黄金の日日
http://www.youtube.com/watch?v=GN-ttLjTf9Y

 
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「小太郎にーちゃん…
 おいらたちの家に…変なヤツがいるんだ…(困)」(小四郎)
 
「えっ??変なヤツ…??(驚)」(小太郎)
 
小太郎と同居している…小太郎の「孤児の兄弟」たちが…
漁から帰った小太郎たちを捕まえて…大騒ぎをしている…。
 
「どっかの乞食坊主が…
 わたしたちの家に…いついちゃってるんだよ…(困)」(小梅)
 
「それは…困ったなぁ…
 で…その乞食坊主は…どんな感じの男なの…??」(小太郎)
 
「そうそう…その乞食坊主はねぇ…
 中年のおじさんって…感じの年頃なんだけど…
 片目で…ビッコひいてるのよ…(怖)
 もう…怖くて…怖くて…あれじゃ家に帰れない…(怯)」(小春)
 
「片目で…ビッコの…乞食坊主…??(怖)
 なんか…すごく…気味が悪いなぁ…(怯)」(安本源三郎)
 
「どうする??小太郎…??」(鈴木甚兵衛)
 
「とりあえず…
 今日の収穫作業を…急いで、やっつけちゃってから…
 日が暮れる前に…様子を見に行こう…」(小太郎)
 
小太郎たちは…その日の収穫作業を…
大急ぎで終わらせて…
慌てて…小太郎たちが住む家に帰っていった…。
 
小太郎たちの家は…
砂浜に面した丘の上に…松林があって…
その松林の中に…小さな祠のお稲荷さんがある…。
 
その松林のお稲荷さんの裏手に…
小太郎たちが自分で建てた…小さな掘っ立て小屋があり…
その小屋が…小太郎たちの住まいなのである。
 
小太郎たちは…皆で、そーっとお稲荷さんの祠に近づき…
その祠の影から…小太郎の家の方を除いてみると…
 
小太郎の孤児の兄弟たちが話していた…
片目で…ビッコの…乞食坊主が…
小太郎たちの小屋の前を…行ったり来たりしている…。
 
「(小声で)うわ…醜い…(怖)
 ホントに…片目で…ビッコなのねぇ…(怖)
 薄気味悪いわぁ…(怯)」(おゆり)
 
「小太郎…アイツ…
 坊主のクセして…腰に刀を差しているぞ…??
 なんか…怪しくねーか…??(怯)」(はまや才助)
 
「うん…そうだな…。
 もしかしたら…
 他国からの間者(スパイ)なのかも知れないなぁ…??」(甚兵衛)
 
「うーん…(困)
 こんな時に…
 矢五と市(風間兄弟(忍び))がいてくれたらなぁ…(困)」(小太郎)
 
 
「ク~~~(お腹が鳴った音)」(片目の乞食坊主)
 
 
「(小声で)おい…アイツ…腹がすいてるみたいだぜ…??(笑)」(源三郎)
 
「もしかしたら…何か食い物を分けて貰おうと思って…
 オレたちが帰ってくるのを…待っているのかも知れないなぁ…??」(小太郎)
 
「なるほど…それで…小屋の前を…行ったり来たりしてんのか…(納得)」(甚兵衛)
 
「どーする…??(怯)」(はまや才助)
 
「よし。じゃーオレが行ってみるよ…(緊張)」(小太郎)
 
「え…大丈夫なの…??(心配)」(おゆり)
 
「大丈夫…(笑)
 小屋のモノを…盗み食いするなら…
 もうとっくにやって…逃げ出してしまっているだろうけど…
 あーやって何もしないで…オレたちの帰りを待っているだから…
 心配することは無いだろう…(笑)
 じゃ~行って来る…(緊張)」(小太郎)
 
そう言って…小太郎は…
お稲荷さんの祠の影から出て…
ゆっくりと…小屋に近づいていった…。
 
「………(緊張)」(小太郎)
 
「………(緊張)」(影で見守る…小太郎の仲間たち)
 
 
「よう~!(笑顔)
 おまえさんは…この小屋のぬしかえ??(笑顔)」(片目の乞食坊主)
 
片目でビッコの乞食坊主は…
その醜い容姿に…似合わないような…
人懐っこい笑顔と声で…小太郎に話しかけた…。
 
「はい。そうですが…??」(小太郎)
 
「へぇ~おまえさんの小屋なのかい…??
 おとー(父)や、おかー(母)などの…
 大人は…いないのかえ…??(笑顔)」(片目の乞食坊主)
 
「いいえ。大人はいません…。
 ワタシとその兄弟が住んでいるだけですよ…。」(小太郎)
 
「なんじゃ…この小屋には…
 乞食が住んでる…と思っていたのじゃが…
 漁師の「孤児たちの家」じゃったんか…(哀)」(片目の乞食坊主)
 
片目の乞食坊主は…
魚臭い…小太郎の風体を見て…すぐに漁師と理解した…。
 
「それで…わたしたちの家には…どのようなご用件で…??」(小太郎)
 
「わしゃ…見ての通りの…旅の坊主なんじゃが…(笑顔)
 いや~その~なんだなぁ…(恥)
 つまり…その…
 腹がへってしもーて…の…(恥)
 すまんが…なんか食わしてくれんかのぉ…??(恥)」(片目の乞食坊主)
 
小太郎は…その片目の乞食坊主の顔を…じっと見つめた…。
 
片目の乞食坊主は…
恥ずかしそうにしながら…無理やり笑顔を見せている…。
 
 
(この人は…悪い人では…なさそうだ…(笑))(小太郎の心の中)
 
 
「どーじゃ…??
 頼むから…わしに…何か食わしてくれんかのぉ…??(恥)
 もー何日も…何も…食べてないんじゃ…
 なっ!頼む!この通り~!(恥)」(片目の乞食坊主)
 
すると…小太郎を心配していた…「おゆり」が…突然、飛び出して来て…
 
「ちょっとアンタ!!銭はあるのかい??(怒)」(おゆり)
 
「ぜ…銭が無いから…
 乞食の家を…たずねてるんじゃないか…(困)」(片目の乞食坊主)
 
「おいらたちの家は…乞食の家じゃねーぞ!!(怒)」(小太郎の兄弟たち)
 
「そうだ!そうだ!(怒)」(小太郎の兄弟たち)
 
「わかった…わかった…許してくれ…この通り…
 頼むから…わしに…
 何か…食わしてくれ~頼む…この通りじゃ…(真剣)」(片目の乞食坊主)
 
「みんな!静かに!!(叫)」(小太郎)
 
「………(緊張)」(一同)
 
「いいですよ。おじさん(笑顔)
 わたしたちもこれから…食事にするところです…。
 良かったら…一緒にどうぞ…(笑顔)」(小太郎)
 
「そ…そーか!!(嬉)
 ありがたい!!ありがたい!!
 恩に着る!!恩に着る~!!(喜)」(片目の乞食坊主)
 
「じゃ~みんな!!いつものように夕食の支度を!!(笑顔)」(小太郎)
 
「あいよ~!!(喜)」(一同)
 
 
「甚兵衛、源三郎、才助に…おゆり…
 良かったら…一緒に食べてってくれ…(笑顔)」(小太郎)
 
「そう!(喜)
 じゃ~遠慮なく~(嬉)」(おゆり)
 
「よ~し~!今夜は…気候もイイし…
 外で…火を焚いて…みんなで食べよう!!(笑顔)」(小太郎)
 
「あいよ~!!(大喜)」(一同)
 
 
「すまねぇーなぁ…(有難い)
 ところで…その…
 ついで…っつちゃーなんなんだが…(恥)」(片目の乞食坊主)
 
「わかってますよ…(笑顔)
 おじさん…泊まるトコも…無いんでしょ…??(笑)」(小太郎)
 
「えへへへ…(恥)
 ほんに…すまねぇ…(恥)」(片目の乞食坊主)
 
「いえいえ…(笑)
 ところで…おじさんの名前は…??」(小太郎)
 
「わしか…わしゃ…
 
 山本勘助…(笑顔)
 
 勘助って…呼んでくれ…(笑顔)」(片目の乞食坊主)
 
 
その夜から…小太郎たちの小屋には…
この「山本勘助」という…片目の乞食坊主が…
小太郎たちと…一緒に住むことになった…。
 
この「山本勘助」は…
後に…
甲斐・武田家の「武田晴信(のちの信玄)」に仕え、
伝説の名軍師として名を轟かせた…
山本勘助」…その人であった…。
 
この「山本勘助」との出会いが…
その後の「小太郎」たちの運命を…
大きく変えていくことなるのだが…
それは…後の話のこと…。
 
天文13年(1544年)…
小太郎…12歳…
春の夜の…
運命の出会い…の日のことであった…。
 
 
(つづく)