シーゲルの独り言☆パート2

こちらはパート2です~

初恋1.5 第2話 カツアゲ 【シーゲルの青春小説】 中学生時代編(前編)

初恋1.5 第2話 カツアゲ 【シーゲルの青春小説】 中学生時代編(前編)



※この物語はフィクションです。
 (80年代前半を時代背景にした物語です)
 
 


【このシリーズのイメージ曲♪(その1)】
岩崎宏美 銀河伝説
http://www.youtube.com/watch?v=0gMRMb7X9MM


【この回のイメージ曲♪(その1)】
別離(ギターとオーケストラ)
http://www.youtube.com/watch?v=sA9JU1t3DQw
 
 
【この回のイメージ曲♪(その2)】
さらば宇宙戦艦ヤマト より  デスラー 《襲撃》

http://www.youtube.com/watch?v=7xID4njjUGo
 

↓↓
 
 
僕は…三浦信之…中学2年生…。


僕が…中学に入ってすぐ…

多数派(隣の小学校卒)と
僕ら少数派(半分半分に中学に振り分けられた僕の小学校卒)は…

双方の友好を図るために…
軟式野球をやろうということになって…

いつでも誰でも…場所が開いていれば…
軟式野球が出来る…隣町の公園のグランドに行った。

多数派(隣の小学校卒)にしてみれば…
隣町のさらに隣町という場所になるのだが…

地域の「少年野球」をやった者なら…
誰もが知っている…
日曜は「少年野球」の大会の会場となる公園のグランドだった。

僕らのクラスのほとんどの男子と…
隣のクラスのモノも何人か来ていたので…
30人以上はいたんじゃないかと思う…

軟式野球をはじめていると…
パーマを当てて…ソリを入れ…
赤茶色く脱色した髪に…
ぶっとい学生ズボン(ドカン)を履いて…
赤や白のハイネックのシャツを着た…

いかにも…って感じの…
「ツッパリ(80年代当時の不良の呼び名)」3人組が現れた…

3人組のツッパリ連中は…
パッとみても…「年上」の人って…わかるくらいの…
中学生が高校生くらい…だと思う…??

僕らには…
ウチのクラスの現在のリーダー格…
そして隣のクラスのリーダー格…

いづれも将来…
ウチの中学の「番格」クラスになる…
イケイケの二人がいて…

そのイケイケの二人は…
ツッパリ3人組の不良ファッションを…
「カッコイイな~」と言ってチラチラと眺めていた…

80年代当時、
急速に「ツッパリ」ファッションが定着してきていたが…
目の前で「本物」を見るのは初めてだった…

もちろん…ウチの中学の先輩にも…
「怖い…部活の先輩はいたが…」

ウチの中学では…誰一人…
こーいう本物の「ツッパリ」ファッションをしたモノはいなかった…。
つまり…
ウチの中学には…不良らしい不良生徒は…
一人もいなかった…ってことだ…。

すると…
ツッパリ3人組が…ウンコ座りをしながら…
何か話ながら…
タバコを吸って…ツバをはいていた…

その「ツッパリ3人組」が…
チラチラとみる…
僕らのリーダー格の二人に気付く…。

「ヤバイ…ヤバイ…」と…
僕らのリーダー格の二人が言い始めた…その直後…

そのツッパリ3人組は…
僕らが軟式野球をしている…
グランドの中を横切って…

僕らのリーダー格の二人の前に向かって来ると…
僕らは…いきなり…緊張が走った…
 
「テメ~!!このヤロウ~!!(怒)」(ツッパリ3人組)

すると彼らは…僕らのベンチそばにあった…
バックだとかグローブだとか…私物のバックだとかを…

手当たり次第に…
僕らのリーダー格の二人に投げつけて…
いきなり怒鳴り始めた…

将来、ウチの中学の「番格」クラスになる…
イケイケの二人とはいえ…

まだ中学入学したばかりで…
小学生っぽい…
幼い感じが残り…

中学の制服を着ないで…
私服でいる今は…
まだ小学校6年生の頃と…
ほとんど変わりがない「幼い僕ら」だから…

彼ら3人の暴れっぷりに度肝を抜かれた…

そして…その番格の二人は…
いきなり…ツッパリ3人組に…殴られ蹴られて…

「スミマセン…スミマセン…」と…謝りだした…。

すると…赤いタートルネックのシャツを着て…
髪が赤茶色くなったデッカイ・パーマ頭のツッパリ男が…

「オマエら~全員~!こっちにこい!!(怒)」と…

僕らは…30人以上いたけれど…
誰一人、逆らうことが出来ずに怯えていた…

僕らは…
グランド脇の木々の茂みに…
全員連れていかれて…
いきなり怒鳴られ…正座をさせられた…

僕らの「番格の二人」は…
すでに…鼻血出していて…泣いている…

僕らの「番格の二人」がヤラれたってことが…
一番効いている…
誰も…抵抗出来なかった…

いきなり正座させられて…
一人づつ…「潰した不良カバン」で…殴られた時は…
何人かが…カっとなった…。

すると…

「オレらは…○中のモンだけど…
 オマエらは…どこの中学の?何年だ…?」

と聞かれた…

黙って答えないでいると…
番格の二人がまず初めに蹴られて…
それから…
生意気そうなヤツから順に一人一人殴られていった…

兄貴がいる…僕らの番格の一人が…

「○中…??ヤバイよ…
 みんな…絶対…手を出すなよ…」
 
って…脅えながら僕らに言った…

その一言で…カッとなった何人かも…
抵抗せずに…大人しくなった…。


後で聞いたことなのだが…

「○中」って…言うのは…
この地域の「暴走族」のOBを何人も出している…
地域一番の、不良中学のことで…

「○○一派」って言う…
バイク乗りだけじゃなく…
ケンカ専門の地元の「族」のことだった…

そのOBの何人かは…
この地域の…○○団に入っているし…

僕らの地元だけじゃなく…
東京や川崎・横浜などの広域で…
幅広く知られる有名な「族」のことだった…。

そのOBがからむ…○中の生徒…。


そーいう…
学校じゃ教えてくれない…
リアルな裏社会の…地域の事情に…

小学校をあがりたてで…
何も知らない…
中学に入ったばかりの「幼い僕ら」は…
本気でビビった…

そのウチ…その緊張感に堪えられなくなった一人が…
「○中です…」と…ばらしてしまった…

「○中だってよ…」(バカにした笑)

運動部が強く、文化系の部活動でも
地域で有名な「僕らの中学校」だったが…

不良の彼らには…その理屈は通用しない…

「○中か~(バカにした笑)
 有名な不良が…一人もいない…弱小中学だよ…(笑)」と言って…
僕らを…あざけり笑った…

「オマエら…○中のクセしやがって…
 こんなオレらの街まできて…
 エラソーにオレらを…コケした目で見やがった…(怒)」(不良)

「僕らは…何にもしてないですよ…」(僕らの仲間)

「何もしていない…??
 オマエらのお友達がしたことだろ…??
 これは…連帯責任ってヤツだ…
 だから…オマエも悪い…(イヤな笑)」(不良)

と言ってまた僕らを殴る…

「許して欲しかったら…
 オマエら…持ってる金を出せ!
 ナイとか…隠したりしたり…
 親にチクったりしたヤツは…

 オレらの仲間を全員連れて…
 オマエらの○中まで行って…
 片っ端から…オドシかけてやるからな…(イヤな笑)」(不良)

するともう一人の男が…

「大丈夫…(笑)
 オレらにキチンとここで金払ってやれば…
 何も無かったことにしてやるからよ~(笑)」(不良2)

そういって…
僕ら全員からお金を回収すると…
 
「何だよ…コレだけかよ…
 オマエら…小学生かよ…??(苦笑)」(不良)

「よし、じゃ~オマエら…
 もう一度、全員で…
 「スミマセンでした」って…
 オレらに謝れ~!!(怒鳴る)」(不良)

「スミマセンでした…」(僕ら)

「声が小え~!(怒鳴る)」(不良)

「スミマセンでした!!(叫)」(僕ら)


「よーし、じゃ~あとで文句があるヤツは…
 ○中まで来い!」(不良)

「それから…オマエら…同意して払ったんだから…
 あとで親や先公にチクんじゃねーぞ~。」(不良)

「チクったヤツは…絶対に許さねーからな。」(不良)


僕らは…30人以上もいたのに…
誰一人抵抗出来なかった…

「カツアゲ」は…
初めてのことで…
そういう…本当に怖いめに…会ったことが無かったからだ…

小さなタカリ程度のことでは…
小学生時代にでも…
イヤな上級生とかから…
せびられて…因縁をつけられて…
誰でも1度くらいはあるかも知れないけど…
 
しかし…
中学になってからの…
本物の不良たちから…暴力を受けての…
カツアゲの経験となると…

もちろん…皆…初めてことで…

大人にも…先生にも相談出来ないような…
本当の暴力と…犯罪まがいなことは…
皆…初めてことだった…。

僕らは…
そのツッパリ3人組が帰っていった…
あとになってから…

だんだん…
「悔しさ…」が出てきた…。

そして友人の兄貴とかに相談して…
色々聞いてみると…
僕らが…中学2・3年になった…
後でわかったことなのだが…
その「3人組」は…
地元最強の…
「○中」の不良ではなく…

その隣の「○中」という…
別の中学の…不良だったことが判明…

なぜ?そのことが解ったかと言うと…
その時…ヤラれた(カツアゲされた)…
僕らの「番格の二人」が…

その後、1~2年して…
彼らがイケイケの不良になった時に…

JR沿線のゲームセンターで…
その「3人組」を見つけて…
「仕返し」をしたからなのだ…

僕らにカツアゲをした不良の彼らは…
カッコだけ不良の…
フツーの「高校生」になっていたが…

僕らの「番格の二人」は…
中3で…
その地元の「族」に…
付き合いがあるような…
「本当の不良」になっていたから…
彼らの素性も…スグにわかってしまったのだ…。

中学に入ってスグの…
この他校の不良生徒から…
「カツアゲ」された経験は…

多くの同級生に…
暴力への恐怖という影を落とし…

僕らの番格になる二人は…
「ウチの中学もナメられないようにしないと…」と…
間違った方向に走り出してしまった…。

この出来事(カツアゲ)が…
僕や…僕らの仲間には…
初めての「犯罪暴力」の体験だった…。

仲良しこ良しの…小学生時代から一転…
僕らの…
荒れた…中学生時代は…
まだまだ…これから始まっていくのだった…。

時は、1980年年代…
僕が…中学1年生の頃の話だった…。
 
 
※この物語は…フィクションです。
 
(つづく)