シーゲルの独り言☆パート2

こちらはパート2です~

初恋1.5 第5話 憎いあんちくしょう -ケンカ2 初めての決闘- 【シーゲルの青春小説】 中学生時代編(前編)

初恋1.5 第5話 憎いあんちくしょう -ケンカ2 初めての決闘-
 【シーゲルの青春小説】 中学生時代編(前編)



※この物語はフィクションです。
 (80年代前半を時代背景にした物語です)
 
 


【このシリーズのイメージ曲♪(その1)】
岩崎宏美 銀河伝説
http://www.youtube.com/watch?v=0gMRMb7X9MM


【このシリーズのイメージ曲♪(その2)】
[ 蘇る金狼_2011 ] 松田優作 × 前野曜子
 
 
 
 【この回のイメージ曲♪(その1)】
 

↓↓
 
 
僕は…三浦信之…中学2年生…。


僕が中学1年生の時、
そのケンカになった「友人」との第一戦は、
僕の速攻で奇襲勝ちでしたが…

彼は…その負けに納得がいかずに…
ケンカになる前以上に…
僕に対して必要に挑発を繰り替えしてきた…
「面倒臭いヤツ」だった…

だから…
彼とケンカになることは、
しょっちゅうの事だった…

「あの二人は年中ケンカしている…」
クラスメイトからは、いつもそう思われていたと思うよ。

初めはカッとした勢いで…
本気で殴ってしまったが…
今ではもう…ケンカ慣れしてしまって…
年中、殴り合うが…お互いケガはほとんどない…

彼は、バスケ部で、僕は野球部…
お互い体を鍛えていたせいもあるのだろうか??

クラスのまわり生徒も…
「あの二人、またやってるよ…」くらいにしか思わない…
僕の方もいい加減飽き飽きしてきたが…

彼は、初めに奇襲を受けて僕に完敗したことが…
どーしても納得がいかないようで…
一度、僕を完全な形でやっつけなかれば…
仕方がないという感じだった…。

不思議な感じがするのだが…
そんな彼とは…
普段は仲の良い友達で…

普段から、お互いの家を行き来する友達だったし…
草野球やサッカーなどで遊んでいる仲だった…

僕が通っている「学習塾」にも…
彼を誘って一緒に通うくらいの仲だった…

今年の夏休みには…
一緒に「ヤマトよ永遠に」を観に行ったくらいだ…

そんな「友達同士の仲」なのに…
年中ケンカをしている…??

その理由は一つ…
彼の…みんなの前で…
僕にケンカに負けた…という…
悔しさだけだった…

ある日…いつものように…
くだらないことでケンカになると…

「今度こそは、決着をつけよう…
 放課後、勝負しよう。」
と彼が言ってきた…。

僕は、野球部で、彼はバスケ部だったが…
そこは、公立中学の…運動部…
一週間に1日か2日は、休みがあるし…
部活を家の用事で…とか言って正当な理由をつければ…
サボっても怒られないし…
試験休みもあるし…

3年生は、受験があるので…
春~夏の間で公式戦は終わり、
夏の前には引退してしまう…

2年生の代になっても…
秋季大会が終われば…
もう春までは…オフ状態だった…

お互い部活が休みだってことを知っていたので…
僕も逃げるに逃げれず…
今日の放課後、二人の決着をつけることとなった…

いざ、放課後になって…
大体の生徒が帰ってしまったあと…
クラスの教室の前の廊下で…
彼と決着をつけることになった…
見物がてらに何人か立ち会っている…。

さぁ~いざケンカとなった時…
彼は…ある戦略を持って…
この勝負に望んでいた…。

彼とは…もう何度も…
一瞬、一瞬でケンカになっている…。

僕の得意パターンは…
相手の懐に入って接近戦での…速攻だ…。

初め、2~3分で勝負をかけるように…
相手の懐に入って…手数を多く出す…
彼はいつもそれで…防戦一方になる…。

そうやっている間に…
10分休憩が終わって…先生が教室に現れたり…
誰かが止めに入ったり…
僕が疲れて…ケンカを辞めたり…
彼が逃げ回って…ケンカが中断したりする…

大体は、僕が優勢で終わる…
これが…いつもの僕の必勝ケンカ・パターンだった…。

僕の流儀だと…
「先に奇襲をかけた方が勝つ!」
「先手必勝」が僕の戦法だけど…

ところが…今回は…
逆に…彼の方から…
始まりの合図をかけずに…
先に奇襲をかけてきた…

僕はたまらず応戦に出て…
カウンターをねらったが…

すると…今度は、
彼は僕に距離をとって…待ち構える体制と取った…

かかってきたら…
カウンターを返すつもりで…距離をとって待ち構えている…

こうなると僕は…手が出せない…
得意の「先手必勝」の奇襲攻撃が…封じられた形となった…

じりじりしていると…
数人の見物人が煽りだした…

僕は…打つ手が無くて…
とにかく…相手の出方を見てみようと…
思い切って…前に出た…
打ち合えば…僕の勢いと手数でいつものように圧倒出来る…
しかし…彼は…僕の突進を交わすようにして…
僕の右側に回りこんで…そのまま押し倒された…

そして彼は…寝技に持ち込んだのであった…。

「しまった…。」

彼は、少年柔道の経験者で…
プロレスも大好きだから…寝技も得意だった…。

僕は…不利な体制で…「寝技」をかけられた…
「寝技」をかけられて…
苦痛で顔が歪んだが…
なんとか強引に暴れて…技を返したが…

彼は「寝技」まま押さえ込んで…
僕を起こさせない…

立ち技での…速攻が僕の必勝パターンだ…
だから彼は…僕を掴んで起こさせないのだ…

「きたねぇ…」(僕…)

僕は…思わず言葉を吐いた…

「寝技が、きたねぇ…??
 ケンカに、きたねぇも…きたなくねぇもあるか…
 勝てばイイんだ…」(彼)

抵抗して立ち上がろうと暴れると…
彼は…その僕の動きを利用して…
巧妙に寝技をかけてくる…

僕は…ヘタに動けば…寝技をかけられて…
間接を閉められて…苦痛を感じることになるし…

ただただ…間接技の苦痛に耐えていても…
体力を無駄に消費するだけ…

時々、寝技が解けて…
二人が離れ…
お互い立ち上がって向き合うこともあったが…

僕は…寝技で間接を痛められ…
汗だくになって…消耗し…
速攻をかける体力が無くなっている…

相手は…また防御を取って…
速攻に供えている…彼からは攻めてこない…

息を整えて…タイミングを計り…
無い力を振り絞って…前に出ると…
簡単にかわされて…
また掴んで倒され…寝技に持ち込まれる…

そんなことが何回もあって…
見物客もつまらなくなって立ち会っている…友達5~6人も…
つまらなくて…飽き飽きしている…

僕は…ただただ…寝技の間接技をかけられて…
苦痛に耐えているだけ…
かなりグロテスクな一方的なショウになった…

「早く…降参しちまえよ…」
「寝技は…つまらなねぇよ。寝技は…ナシにしろよ…」
そんな声も上がっている…

途中、先生が現れるハプニングがあったが…
ケンカと言っても…膠着状態が続いているので…
派手な殴り合いを期待していた…
周りの見物人たちは…
友達だから立ち会っているだけで…
もう退屈で退屈で…飽き飽きしている…

先生が現れた時…
寝技をやめて…フツーにすると…
「学校に残って…何かくだらないことも話しているのだろう…」と…
その程度にしか…先生も思っていない…

下校の時刻には…まだまだ時間があるし…
先生は…何も言わずに…帰っていった…。

その間…ちょっとの短い時間だったが…
僕にとっては…随分とイイ休養になって…体力を回復出来た…

先生がいなくなると…
僕は…速攻で奇襲をかけた…

(もうこれが…最後のチャンスだ…)(僕)

そんな思いで…先手を取ると…
彼は…応戦の体制が出来ていなかったらしく…
久々に…速攻が決まる…

「おお~!」(見物人の友人)

ケンカらしい打ち合いのケンカになって…
歓喜が上がると…
隣のクラスなどから人が集まって…盛り上がりをみせた…

「なんだ…オマエらまだやっていたのかよ??」(副番「ヤナギクン」)

別のクラスで…
将来、僕ら代が3年になった時の「副番」で
ウラ番的な男…「ヤナギクン(柳沢)」が…現れた…。

お互い打ち合って蹴りあって僕が優勢だったが…
やはり…本気のケンカがキライで…
相手に対して…本気になれない…優しい性格の僕は…

初めてのケンカの時のよーに…
相手が口を切るくらい…
本気で殴り込むことが出来ない…

平手打ちになったり…
筋肉が多く、太いところを叩いたりと…
決定打が打ち込めない…

次第に…疲れて…
お互いがもたれて…倒れ込むと…
また寝技に持ち込まれた…

「ああ…あ」(見物人のタメ息…)

僕は必死に苦痛に耐え…ギブアップしない…

すると…将来の「副番」…「ヤナギクン」が…

「コイツ(僕のこと)…ホント根性あるけど…
 これじゃケンカは勝てないよ…
 だって…本気で…相手を殴れないんだろ??」(副番ヤナギクン)

「それに…
 コイツ(ケンカ相手の友人)だって…
 シメ技を…どこか手加減しているところがあるから…
 ギブアップを取れない…

 このままだと…
 アイツ(僕のこと)が…
 ギブアップするまで…
 いつまでたっても、決着はつかないよ…

 まっ…仲の良い…友達同士のケンカだね…。」(副番ヤナギクン)


すると…
僕の友人は…はっとなって…一瞬、技が緩んだ…

僕は…ホントに最後のチャンスとなって技を返し…
最後の力を振り絞って起き上がると…

彼も、ヤバイと思って…動揺したのか…
彼の方も突進してくる…
お互いクロスカウンターのような状態になって倒れると…
僕はもう…抵抗する力も無くなっていた…

彼は、すかさず…寝技に持ち込み…
最後の力を振り絞って…
僕に「寝技」をかけた…
プロレスの「えびぞり固め」みたいな技だった…

たまらず…僕は…「ギブアップ」した…

「おお~!」(見物人)

僕にとっての初めての…決闘は…
こうして決着が着いた…
僕の速攻を封じて寝技に持ち込んだ…
彼の作戦勝ちだった…。

最後に…ヤナギクンは…

「オマエ(僕のこと)は…ケンカに負けたけど…根性がある。」(副番)

そう言って帰っていった…

この一言で…僕は…
この「副番」や「多くの同級生たち」から…
一目置かれて…
この後、色々、関係してくることになる…。

まぁ~それは、これからの話なので今はまだ話さない。

僕と彼の…
この長い死力を尽くした決闘は…
「二人」にとっては…
深い溝になってしまった…。

これ以降の二人の関係は…
どことなく…他人行儀な友達になってしまった…。
 
友人は…僕にケンカで勝ったことを…友人らの前で勝ち誇り…
僕は…僕はそんな友人の態度を…どこか冷めた目で見つめる…。
 
そして僕と彼は…友人関係は壊れ…
ただの…ケンカの勝者と敗者…という関係だけになってしまった…。

やはり…友達同士というものは…
ケンカするのは…仲が良い印だが…

どちらかの優位をつけようとすると…
それは…もう…友達で無くなってしまうのである…

やはり…友達同士は…50/50の関係が一番!☆
どっちが…勝っても…負けても…、
どっちが…強くても…弱くても…
 
勝者は敗者を気遣い…敗者も勝者を気遣うものだ…
それが…本当の友達同士の関係だと思うし…
それが…本当の友人同士のケンカだと…
僕は…そー思うな…。

僕は…このケンカで…それを学んだ気がする…。

中学1年の秋頃の話でした。
 
 
(つづく)
 
※この物語はフィクションです。