初恋1.5 第16話 喫煙所デビュー(後編) 【シーゲルの青春小説】 中学生時代編(前編)
初恋1.5 第16話 喫煙所デビュー(後編)
【シーゲルの青春小説】 中学生時代編(前編)
※この物語はフィクションです。
(80年代前半を時代背景にした物語です)
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【この回のイメージ曲♪(その1)】
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僕は…三浦信之…中学2年生…
(前編からのつづき)
僕は…野球部を辞めた件や…。
さっきも廊下ですれ違った…
「寛子」のソソクサとした顔を見たら…
もう…朝から…誰とも話したくないし…誰かと騒ぐ気にもなれなくて…
教室の自分の席に座って…
フテ寝とかして…一人で落ち込んでいると…
そんな僕を見た「マルちゃん」が…
「ちょっと挫折したくれーで…、
いつまでも…イジイジしてんじゃねぇ~よ(笑)」(マルちゃん)
って…笑顔で声をかけてきた…。
「マルちゃん」のとなりには…
同じ番格の不良グループの一員で…
マルちゃんの相棒…「石川」もいる。
「石川」は…
極端に無口な男で…性格も大人しい…??
彼の言葉と言えば…いつも一言…二言…(笑)
でも…不良のカッコがバチって決まっている…
ちょっと目つきは悪いが…カッコイイ感じの男なんだけど…
いつも黙って「マルちゃん」の側にいる…
「マルちゃん」の「影」みたいな…
地味な感じの不良生徒だった(笑)
それに…「石川」も…マルちゃん同様…
けっして悪いヤツじゃない。
「マルチャン(丸山)…」(僕)
「マルちゃん」は…ニコニコしながら…
僕の背中をバンと叩いて…
「おおっ~!ノブユキ~!「一服」行くぞ~!(笑)」(マルちゃん)
「一服??」(僕)
「お~お。付き合えよ~(笑)」(マルちゃん)
そー言って「マルちゃん」は…
指を二本、クチに持っていって…
タバコを吸う仕草をした…。
「えっ…マルチャン(丸山のあだ名)…
オレ…タバコなんて吸ったことないよ…」(僕)
「かてーこと言うなよ…。
野球部辞めて…戻る気も全然ナイんだろ??
だったら…これからはオレに付き合えって!」(マルちゃん)
そー言って彼は…
僕らの生徒のうちじゃ…「喫煙所」と言われている…
トイレの隣にある「非常階段」の踊り場に…
僕と「石川」を連れて行った…。
僕らの中学は「L字型」の校舎で…
2クラスが右側、6クラスが左側に分れている。
僕のクラス(B組)は「2クラスの右側の校舎」で…
主に「A組とB組」の番格の不良グループが…
この「非常階段」を「喫煙所」として利用している…。
もちろん…「喫煙所」とは…
不良グループがそう読んでいるだけで…
「喫煙所」であるハズがないし…
そもそも…中学校の生徒用に喫煙所があるワケじゃないし…
学校が生徒に喫煙を許すハズもない…。
その「喫煙所」は…
校舎に外付けされた…
鉄製の「非常階段」の踊り場のことで…
ドワをあけて外に出ると…
実に開放感がある…最高の場所だった。
すると…その喫煙所には…先客がいて…
A組の「イイ男(イイオ)」(顔はイイけど性格が悪い僕をライバル視する男)と、
同じA組の「白熊(クマ)」(色が白く…熊みたいな体をしている男)がいた…。
「ちっ!(嫌な顔)」(イイ男)
「イイ男」は…僕を見るなり…舌打ちをした…。
「あ??オマエ(イイ男)、ノブユキのことキライなのか??(笑)」(マルちゃん)
「あったりめーだろ??大嫌いだよ!こんなヤツ!!(怒)」(イイ男)
「じゃ~オメー(イイ男)が…向こうに行ってろよ…(苦笑)」(マルちゃん)
「ちっ…(嫌な顔)
「白熊(クマ)」行こうぜ~!」(イイ男)
そ-いって、「イイ男」は「白熊」を連れて非常階段から出て行った。
ちなみに「イイ男」と「白熊」は…
「マルちゃん」と同じ小学校卒の幼馴染同士で、とても仲が良い…
休み時間になると…
いつも僕のクラスの「マルちゃん」のトコに来ているくらいだ…。
「イイ男」と「白熊」は…
「マルちゃん」とは…幼馴染で友達同士だし…
「マルちゃん」には…頭が上がらない…
だから…「マルちゃん」言うことは素直に聞く。
僕にとって「マルちゃん」は…
僕のことを必要以上にライバル視する「イイ男」の…
防波堤みたいな役割をしてくれた…。
本当に頼りになるイイ番格の不良友達だった。
「マルちゃん」と「石川」は…
持っていたタバコに火をつけ…
不良のお約束「ウンコ座り」をしている…
そして…
「ほら!」と言って…
「マルちゃん」は、
持ってた「セブンスター」(たばこ)を僕に差し出した。
僕は、恐る恐る…差し出されたタバコを一本取ると…
「マルちゃん」はスグに100円ライターの火をつけて…
僕の前に差し出した…
僕は…何も考えず…タバコをくわえて…火をつけた…
クチの中に…タバコの煙が入ると…
お約束のように…体が拒否反応を示して…
思わず咳き込んた…。
「ゲホっ…ゲホっ…なんだこりゃ…」(僕)
「ははははははははは…(笑)」(マルちゃんと石川)
「おぇ~。」(僕)
「まぁ…慌てて吸い込まないで…ゆっくりやってみなよ~。」(マルちゃん)
そーいうと…「マルちゃん」と「石川」は慣れた感じで…
外の景色に目を向けながら…さわやかな風を感じて…
どこか遠くを見つめながら…美味そうにタバコを吸っていた…。
そんな二人の姿を見て…ちょっと落ち着いた僕は…
二人を真似をするようにして…
外の景色を見つめて…風を感じながら…ゆっくりとタバコを吸ってみた…。
「ゲホっ!ゲホっ!」(僕)
「ははははははは。」(マルちゃんと石川)
タバコは最後まで慣れなったけど…
でも…
「非常階段」にいることは…
開放感があって…とってもイイ気持ちだった…。
すると…ドアが開いて…
誰かが「非常階段」に現れた…
C組の「副番」こと「ヤナギクン(柳沢)」だった…。
他に、C組の番格グループのヤツが二人…。
「よ~!マルチャンに石川…
アレ??
ノブユキもいんじゃん!?(驚)」(副番:ヤナギクン)
「どーも…。」(僕)
「非常階段デビューだよ!(笑)」(マルちゃん)
「そーか…オマエ(僕のこと)、野球部辞めたんだってな…。
これでオマエも…
オレら(不良グループ)の仲間だな…(笑)」(ヤナギクン)
(えっ…??)(僕の心の中で)
番格の「不良グループ」に入ったか?入らないか?は別にして…
仲間って認めてくれたのは…
ちょっと…嬉しい感じがした…。
これがきっかけで…
僕は「マルちゃん」と「石川」とは…良くつるむよーになった。
もちろん…
番格の不良グループに入ったか?入らないか?は別の話だが…
野球部以外の…僕の居場所が出来たよーな感じがして…
ちょっぴり…元気を取り戻した気分になった。
しかし…
これが…きっかけとなって…
僕は…「マルちゃん」のクラス(2年B組)の…
「不良グループの一員」として…
他の生徒たちから…認識されるようになってしまった…。
このことが…分岐点となって…
野球部時代の「スポーツ少年」から…
僕の人生レールは…
「落ちこぼれ」のボンクラ生徒へとスイッチされていった…
中学2年の夏前の…
「喫煙所デビュー」の話だった。
(つづく)
(注意)喫煙は…大人になってからですよ~b
※この物語は…80年代前半を時代背景にしたフィクションです。